TENGU|柴田哲孝


TENGU (祥伝社文庫 し 8-4)

 大藪春彦賞受賞ということで、少し前に本屋で平積みされていました。
 一応、話題になっている本は読んでおこうと購入しましたが、これがまたすごい。ものすごいどんでん返しと言いますか、読者の期待を悪い方向に裏切る展開に唖然としました。
 事の起こりは、二十六年前に起きた殺人事件。人間の力では到底不可能な、まるで肉塊と化したような遺体が発見されたことに遡ります。村人たちは、天狗の仕業だと噂し、小さな村は騒然となりました。しかし、証拠として残されたのは、巨大な手形と体毛のみ。当時の技術では、DNA鑑定はできず、結局この事件は迷宮入りとなるのです。
 時を同じくしておこった、米軍兵士の脱走事件。二つの事件をつなぐ糸はなんであるのか。四半世紀の時を経て、殺人事件を取材した記者、道平慶一は再び事件の調査に乗り出すことにします。
 果たして、恐るべき殺人事件の犯人は誰だったのか。人間かそれとも――
 というわけで、普通なら犯人は人間で、そこには驚愕のトリックが仕組まれていた、と考えるのではないかと思います。少なくとも、私はそうです。

(以下ネタばれ)

 しかし、この作者はそうは書かなかったのです。
 なんと、人間以外の知的生物による犯行だった! 
 ある意味衝撃の事実です。言ってしまえば、犯人はUMAだったということですね。UMAだから、あんなに怪力で、常識では考えられない身体能力をもっていた、とそういうわけだそうです。そりゃないよ、と思うのは私だけではないはずです。
 さらにさらに、脱走した米軍兵士に話を聞くことに成功した道平は、そこでさらなる事実を知ることになるのです。崖っぷちの告白的なラストシーンで、語られる内容は――
 さすがに自粛しますが、私は吹きだしてしまいました。
 ハードボイルドは読みつけていないのですが、こんな感じなのでしょうか?  それならば、以後ハードボイルドは遠慮させていただこうかと。


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