kirawareru

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

とても良かった!
こういった人生について考えるちょっと哲学的な思想が元々自分は非常に好きなのですごくハマりましたw
「哲学的」と言ってしまうとちょっと難しく感じますが、若者と哲人との対話形式なのでスラスラ読めます。

 

もくじ

トラウマを否定せよ

すべての悩みは対人関係

他者の課題を切り捨てる

世界の中心はどこにあるか

「いま、ここ」を真剣に生きる

 

気になった&感想

いつもは気になった部分だけ抜粋しているのですが今回は一つ一つの感想なども付けてみようかと思います。

・世界が複雑なのではなく、ひとえに「あなた」が世界を複雑なものとしている
→結局のところ誰であれ自分の眼を通してしか見ていないので、すべての見え方は自分次第なのではないかと。

・過去の原因にばかり目を向け、原因だけで物事を説明しようとすると話はおのずと「決定論」に行き着く
→これが今回の一番面白いところの一つだと思うのですが、過去にトラウマがあったとかそういった原因で説明しようとすると「変えない」というところに結果として行き着いてしまうのですよね。
理屈としては非常にわかるけど実践まで本当に時間がかかりそうw
もともと実践に時間はかかるものだというのは本書にも書いてあるのですが…

・怒りとは出し入れ可能な「道具」
→私はカッとして思ってもいないことを言う、みたいなことはあまりないのですが怒りやすい人は必見

・大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである
→隣の芝生はどうしても青く見えてしまうもので。このへんの発想が自分の中に根付いたら確かに「幸せ」というものは近付いてくるんだろうなーという気がする。

・赤面症の女の子の話/小説家を目指す友人の話。「目的」は「他者との関係の中で傷つかないこと」
→これはわかるなあw 何かしらの明確な「できない原因」っぽいものを持つことで自分は本当は出来るんだって可能性を信じながら生きていくことが出来ますもんねw

・「もしも自慢する人がいるとすれば、それは劣等感を感じているからにすぎない」
→身近にいるあの人もそうなのかもしれません。

・勝ちや負けを競い争う場所から身を引く
→これは詳細に説明されているのですが競争の世界に身をおくことによって心の余裕の無さが生まれるということですね。

・われわれは「他者の期待を満たすために生きているのではない」
→ここから「他人の人生を生きる」という話に進んでいくわけですが、これまた興味深いんですよね。そこを追求していくと「他者中心」の人生を生きていくことになる。

・誰からも嫌われないためには、どうすればいいか? 答えはひとつしかありません。常に他者の顔色をうかがいながら、あらゆる他者に忠誠を誓うことです。
→納得。他人の期待に応えながら生きるというのがどういうことかが明確になってきます。

・確かに嫌われることは苦しい。できれば誰からも嫌われずに生きていたい。承認欲求を満たしたい。でもすべての人から嫌われないように立ちまわる生き方は不自由きわまりない生き方であり、同時に不可能なことです。
→ここまでの流れでこれをズバッと刺されると響きますね。

・「嫌われたくない」と願うのはわたしの課題かもしれませんが「わたしのことを嫌うかどうか」は他者の課題です。
→野球の松井秀喜選手が「自分にコントロール出来ることと出来ないことを分けて、出来ないことに関心を持たない」ということを言ってましたがまさにこれですね。

・人はほめられることによって「自分には能力がない」という信念を形成していく
→これはなかなか深い概念。でも確かにこれも他者の中に依存している考えなわけで。

・誰か一人とでも縦の関係を築いているとしたら、あなたは自分でも気付かないうちに、あらゆる対人関係を「縦」でとらえている
→ここはもうちょっと読み直したいところだけど、まあそういう概念が自分の中にできているのかもしれませんね。

・10人の人がいるとしたらそのうち1人はどんなことがあってもあなたを批判する。(略)そして10人のうち2人は互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人はどちらでもない人々だ。(略)人生の調和を欠いた人は嫌いな一人だけを見て「世界」を判断する。
→大局観ですね。

 

感想

長々と書いてみましたが、やっぱり振り返ってみると非常に面白い!

「心の持ちよう」みたいな話になりがちになってしまうのですが、自分のメガネの中を通して世界を見ている以上はどうしてもそういうことになってしまいますよね。
同じものを見ていても感じ方が全く異なってしまうのはそういう意味もあるわけで。

本書内では「実践するまでに時間が掛かる」とはっきり明記されているので、この心の在り方を時間を掛けて身に付けていくしかないのかもしれませんね。
日々、ちょっとづつ思想の習慣を変えていってみよう。


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