イギリスの妖精たちを集めた辞典形式の本です。「イギリスの妖精学の最高権威」による、101もの妖精たちの紹介です。
妖精という概念が好きで、様々読み漁ってきましたので、だいぶ馴染みのある名前も増えてきました。
エルフやら、ドワーフやら、ゴブリンやら、本を読んだり、ゲームをしたりする人には耳慣れたもの登場します。それぞれの生き物に対して、3ページ程度の逸話という配分ですので、気負うことなくさくさくと読んでいけます。
ファンタジー系の話が好きな人は、なかなか面白く読めるかと思います。
ということで、私のお気に入りをひとつ。
本書のなかにでてくる、“ムリアン”という生き物です。
もともとは「アリ」を意味する言葉であり、妖精のなれの果てと言われています。
妖精には変身をする力がありますが、変身をして、元の姿に戻るたびに、少しずつ体が小さくなっていくのだそうです。はじめは、普通の人間と変わらない大きさだったのが、変身を重ねるたびに小さくなり、アリほどの大きさになって、最後には消えてしまう――
だから、その地方ではアリを殺してはならないのです。
ロマンチックでどことなく哀愁漂う妖精たちの物語に、少しずつ触れてみるのはいかがでしょうか。