レストランでよく見かける、食品サンプル。どうやって作るんだろう、と子供のころに疑問を覚えた人も多いはず。本書は、その疑問に答えるだけでなく、自分でも作れるようにしてくれるというものなのです。
私自身はとくに作ろうという動機はなく、単なる好奇心から購入しただけですが、実に懇切丁寧、何を準備すればよいか、いくらくらいかかるかなどを全部教えてくれるのです。本気でサンプルを作ってみたいという人は、本書を見れば、ひととおりの作り方は理解できるでしょう。
しかし、食品サンプルを本気で作りたい人がどれくらいいるかは別として、個人でサンプルを作るのはやはり敷居が高いものなのですね。完全にできあがるまで数日かかるものもあり、作業台も必要となると、サンプル作製用のアトリエが必要になりそうです。それになにより、形は本物同様でも、本物に見せるための色付けという作業が必須になり、結局のところ、職人技以外の何物でもありません。
本書を読んで、材料調達に走るより、製作過程のビジュアルを楽しむのが正しい読み方だと思います。眺めているだけでも、十分楽しめます。
よくある、フォークが宙に浮くパスタのサンプルの作り方も書いてありますので、レストランでささやかな雑学披露にも役立つかと。
値段の割に、ビジュアル豊富な面白い本だと思いますよ。
“食品サンプルの作りかた、教えます。|今井規雄” への1件のフィードバック