4人の父親が非常に魅力的で、話としても非常に面白く、爽快感がある伊坂ワールドが読める一冊。
そこで4人の父親の言葉ではなく、なぜ富田林の言葉をピックアップするのかという話ですが、印象に残ったので・・・
なかなかの名言。
そのシーン
ラーメン屋で息子の太郎と食事をしている時に、酔っぱらい二人が太郎の湿疹をからかう。
そこで出た富田林の一言。
「外見や湿疹、頭髪などは、自分の努力ではどうにもならないんだから、そういうところを責めないでほしいね」
これですよ。
この後しばらくして、このはやし立てた男は無残な姿になって見つかるわけですが、そういうこともありえるわけですよね。
このはやし立てた男の顛末はちょっと極端な話ですが、人が気にしていることをいちいち指摘して行くようなことは健全ではなく、どうやってもいい印象を持たれないわけですね。
特に富田林の言うように「自分の努力ではどうにもならないもの」についてはなおさら。
自分もこれを読みながら言葉はきちんと選ぼうと思った次第です。
本編の話を一切書かなかったわけですが、伊坂節が出ていて伏線の回収・物語全体のすっきり感、読み応えがありますよ!