三面記事っていうのはご存じでしょうか。
朝日新聞では、テレビ欄をめくったところに載っている記事のことです(他紙は分かりませんが)。殺人事件やら、傷害事件やらを扱った、記事ですね。
本小説は、新聞に載った三面記事に触発され、下敷きにして書いた短編集です。各話のタイトル部に、モデルとなった記事がデザインされています。
不倫相手の妻の代理殺人を頼んだ女。
男子高校生を自宅へ監禁した中年女。
痴呆の母親を殺害した男。
事件のドロドロをひたすらに書きつづった作品ばかりが並んでいます。あまり角田光代は読まないのですが、書き方が巧いですね。さすがに、「気持ち分かる」とまではいきませんでしたが、犯人に同情する程度までは感情移入ができました。
ただし、残念ながら救いのある話は皆無です。
テンションをあげたいときには決して読まないようご注意を。