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聲の形(4) (少年マガジンコミックス)

前巻の感想:佐原さんと植野さん(※猫耳)が久しぶりに登場。聲の形(3) /大今良時

気になってたシリーズ。
率直な感想として「すごい」という印象。雲間からちょっとづつ光が差してきている感じ。
3巻までどこかしら変な不快感があったんだけどそれが徐々に除かれていく感じがある。

 

あらすじ&もくじ

ちょっとづつ仲間と呼べる人物が増えてきて、皆で遊園地に遊びに行く話。
そして硝子の家庭や、硝子が生まれた時の話など。

第24話 変化
第25話 気のせい
第26話 似たもの同士
第27話 嫌い
第28話 返信
第29話 ばーちゃん
第30話 支え
第31話 手紙
第32話 ガムシロ
番外編 姉妹

 

感想

冒頭に書いたのですがすごい、の一言。
やっぱり物語はこういうふうに美しくあってほしいと思うわけですよ。

3巻までは過去に背負ったイジメの問題だったり、将也がそもそも死のうと思ってたりしていたことの残滓のようなドロッとした塊が残っていたんだけど、徐々に取り除かれていく感じ。
いや、実際にリアルで同じようなことがあったらイジメはイジメであったまま、高校生になって収束するということもないような気がするんですよね。必ずしもないわけではないんだろうけど。
物語はそういう現実でなかなか起こりそうにないことを示唆してくれるので素晴らしい。

前巻の感想で

植野さんについてはサクッと関係が切れてしまって終わり、という感じでもなさそうなので将来的に仲良くなるなんてこともあるんですかね・・・

と書いてたのですが、これまた本巻で非常に良い展開が。硝子と植野さんが観覧車で二人きりになるシーンはなかなか秀逸です。
「人と向き合う」ってこういうことなんだろうなとか。
・・・というか高校生でここまで成熟した思考を持てるものなのかというのと、逆に高校生だからこそこういう思考ができるのかなとも思ったり。

***

あと現実で同じ状況だったらメチャクチャ苦労していたであろう硝子のお母さんの話。
硝子が生まれた時のストーリーが語られています。
戦慄するくらいひどい話なのですが、そこからどうやって生きていったかが描かれていていいですね。
現実を受け止めるってことが本当にシビアで、ただそれを抱えながらなんてこともないような顔をして生きていく姿が美しい。

人の背景ってこういうのを見てやっと理解できるんだよなあ。

次巻はどうなるんだろうか、楽しみ。


(書籍・kindle両対応)